かすべを料理する
いつも行っているスーパーに「かすべ」が並んでいた。かすべとはエイヒレ。よく乾燥したものはあるけど、都内で切り身で売っているのは珍しい、と思う。だってここに住んで4年以上経つけど初めて見たし。
渋谷に「かすべ安兵衛」という魚が特に美味しい居酒屋さんがある。このお店ではこの「かすべ」をお店の名前にしてしまう程かすべ料理が美味しい。行く度に必ず注文もするし、やっぱりかすべは美味しいねぇなどと口にしながらお酒をたしなんだりもする。ヒレの部分だから骨というか軟骨に沿って身がついている状態なのだけど、これがなんともふわっとてるような感じで、軟骨だってお店の調理法では食べれてしまうのだ。
かすべか。ちょっと自分で料理してみようかな?
というわけでその切り身を買って帰った。
さて。どう調理したら良いものか。
お店で食べたことがあるのは、
・シェリー酒(?)風味
・バターしょう油風味
・から揚げ風
だ。
どれも美味しいんだけど、私はその中でも特にシェリー酒(?)風味が好きだった。
作り方も分からないんだけど、初めてシェリー酒(2180円)も買って美味しくできあがることを夢見て家に戻る。
さて、どう作ろうか。ネットでいろいろ探すものの、煮付けのレシピはあっても私の希望するシェリー酒(?)風味のレシピは見当たらない。でも、食卓な人のチーズ箱というサイトの店主のコラムで
ナージェ? ノアゼット色?
フュメ・ド・ポワッソン?
分からない言葉もいっぱいなんだけど、この方のいう通りに作れれば美味しそうなことは間違いなさそうだ。言葉にさらに検索をかけて調べる。
ナージェ=まだはっきりとどういう料理をいうのか分からないけど、ホタテで作るとこんな感じ
ノアゼット色=どんな色か分からないけど、ノアゼットというバラの花の色はこんな色
フュメ・ド・ポワッソン=フランス料理で使うお魚の出し汁
結局どれも一筋縄ではいかなそうだ。でも、私はこの一文に今夜の夕食を賭けてみることにする。
フュメ・ド・ポワッソンにシェリーをきかせてバターでつないでソースに仕上げても美味しい。焼く時はムニエルにします。
フュメ・ド・ポワッソンはこの際無視することにしよう。失敗したらごめんよ、旦那さん。
と、意思が固まりかけた時、義母からの電話。いろいろと世間話(?)をした中でちらっとかすべの調理法について聞いてみると・・・
「あれって匂うかもしれないかたらお酒とかで先に振っておいた方がいいかもしれないね」
という一言に私の心はいきなり揺らいだ。
先にお酒を振るべきか、と。
そこで一つ思いついた。そうだ、店長に聞いてみようと。今は頻繁には行かなくなってしまったけど、3年間くらいは定期的に通い続けたお店。下ごしらえくらいなら教えてくれるかもしれない。
私:「あ、もしもし。こんにちは。すみません、突然なんですけど、いつもお店で食べてるかすべが切り身で売ってて・・・かくかくしかじか・・
で、あれって先にお酒につけといた方がいいものなんですか?
シェリー酒(?)風味を作ってみようと思ってシェリー酒も買って来たんですけど」
店主:「シェリース風味か。あれは難しいよ。でも、簡単に教えてあげよう」
私:「はい、ほんとうにすみません。難しい所は適当に省いてやりますのでお願いします」
店主:「まず、****(難しくて忘れてしまったけど、聞いたことのない調味料の名前)ってある?それと塩と酢を水の中にいれて沸騰させて、かすべをあまじょっぱく煮るんだ。」
私:「****はないのでとりあえず適当にあまじょっぱく煮ます!」
店主:「買って来たのはシェリー酢だよね?」
私:「え?シェリー酒です」
店主:「え?」
私:「ええ?」
(・・・・・・・・・)しばらく間
私:「なんか、私微妙に間違えたもの買っちゃったみたいですね・・・」
店主:「シェリー酒買っちゃったのかぁ~・・・・」
私:「じゃ、今日はシェリー酢風味は諦めます!バター醤油風味を教えてください!」
店主:「分かった。じゃ、バター醤油ね。うちではバター醤油といっても醤油はにんにく醤油を使っているんだ。なければまぁ、醤油で。
まず、かすべは塩コショウして小麦粉をつけてムニエルにするよ」
私:「はい。ええと、塩コショウする前にお酒とかはかけなくていいんですよね?そしてバターで焼いちゃっていいんですね」
店主:「そう。かすべはすぐ身がほろほろとなっちゃうから、初めだけパリっとなるように強火で焼いて後はバターが焦げないように火加減を弱くして焼いてね。」
店主:「で、ソースは別で作るんだけど、白ワインを煮詰めてそこにバターを溶かして、この時、火加減が強すぎるとバターが分離してしまうから気をつけて。うまくかき回していると、とろみを帯びてくるからそしたらにんにく醤油を入れて出来上がり。ムニエルのかすべにかけて食べてね」
私:「お忙しい所本当にありがとうございました~。頑張ってみます!」
店主:「また上手くできなかったら電話しておいで」
私:「ありがとうございます~」
で電話を切る。ふぅ。よっしゃ作るか。少し希望が見えてきた。
ムニエルは問題なくできるだろう。この時一緒にきのこも炒めちゃおうっと。
問題はソースの方だ。
白ワイン・・・今夜飲もうと思っていた義父母のキウィワイン
が頭をよぎる。少しだけ使ってみよう。その後飲むし・・・
にんにく醤油・・・要はにんにくの風味がすればいいのかな?よし。みじん切りをワインと一緒に煮詰めてみよう。
バターを分離しないように溶かしてと、醤油を入れてと。こんな感じかな?
ムニエルすること15分弱、かすべにもほどよく火が通りきのこもいい感じ。上からソースをかけてと。

かくして出来上がった私の初のかすべ料理。
その名も「かすべのバター醤油(キウィワイン仕立て) きのこのソテーを乗せて」
さて気になる味の方は・・・
キウィワインだったからちょっと酸っぱかった(笑)けど、なんとなくいい感じ。
旦那はすっぱい料理が嫌いだから「??」とはじめは食べてたけど、後から「だんだんこの味に慣れてきた」と言って食べていた。
お店の味には全然届かないけど、家庭の味としては、少し秀でた気のする、そんなかすべ料理。
キウィワインと一緒に頂いて美味しかった~。
かすべは手に入らないけど、食べてみたい!って方は
渋谷にある「かすべ安兵衛」で試してみてくださいね。ここの料理は和食なのにフレンチの技術が入ってて美味しいのでお勧めです☆
特に桜の季節は桜見物をしながら外で食べる席もありますよ~
ところで間違って買っちゃったシェリー酒はどうしたものか・・・
Posted by JOJO at 07:37